配当所得がある人は検討しよう 住民税の確定申告

更新日: 2018/12/07

 平成29年度税制改正により、上場株式等に係る配当所得について所得税と住民税は別々の課税方式が採用できることになりました。

上場株式等の配当所得の申告方法は?

 もともと、上場株式等の配当所得については、①申告不要(申告しない:源泉徴収のみ)、②総合課税、③申告分離課税のいずれかを選択でき、所得税で選んだ課税方式が住民税の計算にも適用されていました。平成29年度からは所得税の申告とは別に、市町村に住民税の申告書を提出することにより所得税とは異なる配当所得の課税方式を住民税で選択することができようになりました。この制度を利用し所得税とは別に住民税の課税方式を選ぶことにより節税となる納税者がいます

どの課税方式を選ぶと有利か

 どの課税方式を選ぶと有利かの例を概算で比較してみます。

図1 配当金にかかる所得税・住民税の合計税率

配当金にかかる所得税・住民税の合計税率

※復興特別所得税は含みません。

 例1は所得税と住民税のどちらとも申告しない申告不要制度を選択した場合です。上場株式等の配当は受取り時にはすでに税金20%(所得税15%、住民税5%)が源泉徴収され天引きされているのであらためて申告しなくても済みます。投資家の多くはこのパターンが多いと思われますが、上記表からわかるように課税所得900万円以下の場合は、例3を選ぶのが有利になります。所得税は総合課税を選び、住民税は申告不要とする選択です。また、課税所得が1000万円前後以上ある高額所得者は所得税も住民税も申告しない例1を選択すると有利になることがわかります。

変わってくるのは住民税だけではないかも

 所得税や住民税の有利不利だけではなく、住民税について所得税と異なる申告をすることで、住民税の所得金額に基づき決められる医療費の負担割合を減らしたり、国民健康保険料、介護保険料、後期高齢者保険料などを下げることができる可能性もあります。

住民税の申告にあたっての注意

 所得税の申告書と異なる課税方式にするため市町村に住民税の申告書を提出する場合には注意が必要です。まず自治体(市町村等)により申告書の書式がまちまちで記載の方法も異なっています。住民税の申告書提出の期限は、所得税の確定申告期日である3月15日ではなく、住民税の納税通知書送達日までにとなっています。住民税の納税通知書送達日は毎年5~6月頃ですが、そもそも住民税を決めるための申告書の提出なので、もっと早めの申告がよろしいかと思います。自分の住む自治体に直接問い合わせるか自治体のホームページで申告書と提出期限を必ず確認されたほうが良いです。

資料の保存が大事

 配当所得を申告したほうが有利かもしれないと思われる方は、1年分の配当所得やその源泉徴収額がわかる配当の通知葉書や明細などの資料は捨てないで必ず保存しておきましょう(特に配当金が証券口座で受取りになっていない方は)。

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