働き方改革を促進する令和最初の年末調整について

年末調整とは

年末調整とは  年末調整を簡単に説明すると、「会社」が(社員)本人に代わって所得の確定と所得税の精算作業をすることです。

 会社員の給与に対する源泉所得税(以降、所得税)は、毎月概算徴収されています。そのため年末時点で確定した所得から正しい所得税を算出することになるわけです。
 年末調整の名のとおり、年末に調整するための作業ですが、毎月の給与から徴収された所得税の合計が正しい所得税より徴収過多であれば還付され、徴収不足であれば追加で徴収されることになります。

年末調整が必要な人は・・・

  • 年末時点で会社に勤務している人
  • 年の中途で死亡退職した人

となっていますが、中途採用者で年末時点に在籍している社員については、前職の源泉徴収票が必要になります。

・・・年末調整の対象にならない人や年末調整の対象になる人でも資料がそろわない人は、自分で確定申告をして税額の精算をすることになります。

・・・年末調整と一口に言いますが、控除の種類(例 配偶者控除・保険料控除など)ひとつを取っても、内容が多岐にわたり、年度によっては変更もあり奥が深いものです。

 年末調整の書類を記入する際には、きちんと記入することで正確な年税額が算出されますので、扶養家族の生年月日や収入の見込み額、保険料控除証明書やお子さんの国民年金の納付証明書、尊属の後期高齢者医療の納付証明書などの添付・・・等。面倒がらずに準備・記入してみましょう。

所得税改正と年末調整の注意点

所得税改正と年末調整の注意点  所得税についての法案が平成 30年 6月に成立し、「働き方改革関連法」に伴う税制改正が平成 30年度に行われました。
 改正の適用開始は令和2年1月1日からですが、令和元年分の年末調整にあたり下記の通り一部変更が生じています。

令和元年分年末調整での注意点

単身児童扶養者欄追加

 扶養控除等申告書の一番下の欄に「単身児童扶養者」欄が追加されました。
 該当する方は、住民税が令和 3年より非課税となります。

※該当要件(下記の全てを満たす方が対象となります)

  • 児童扶養手当を受給している単身の親であること。
  • その年分の合計所得金額が゙135万円以下であること。

令和2年分の年末調整からの変更

令和 2年1月から適用される下記の所得税改正による変更です。

1)給与所得控除引下げ

  • 給与所得控除額が一律 10万円引下げられます。
  • 給与等の年間収入金額が 850万円を超えた場合、給与所得控除額は、195万円が上限となります。(令和元年の上限は、年間収入金額 1,000万円、給与所得控除 220万円)
    ※給与等の年間収入金額が 850万円を超えた場合、増税となります。

2)基礎控除額引上げ

  • 基礎控除が、一律 10万円引上げられます。
  • 合計所得金額が 2,400万円を超える方については、段階的に控除額が減少、 2,500万円を超えた時点で基礎控除適用不可となります。

3)所得金額調整控除新設

子育てや介護世帯の負担軽減のための調整を図ることを目的とした新控除の項目が設定されました。この調整に該当する場合、従前と同様の税負担となります。

4)配偶者及び扶養親族等の合計所得金額要件の見直し

給与所得控除の引下げに伴い、配偶者控除、扶養控除等の対象について判定する合計所得金額基準が 10万円引上げられます。

項目合計所得金額要件
令和元年迄令和2年以降
1配偶者・扶養控除38万円以下48万円以下
2配偶者特別控除対象配偶者38万円超123万円以下48万円超133万円以下
3障害者控除(扶養親族等の要件)38万円以下48万円以下
4寡婦・寡夫控除(扶養親族等の要件)38万円以下48万円以下
5勤労学生控除65万円以下75万円以下

 以上の通り、令和元年分の年末調整の改正点は僅かですが、平成30年6月の所得税改正により令和2年度の年末調整では、多くの変更が生じることが予定されていますので注意が必要です。