令和元年度(平成31年度)税制改正

平成31年度税制改正の法案が成立し、3月29日付けで公布されました。
主な改正内容は以下のとおりです。

個人所得課税

住宅ローン控除の拡充

 2019年10月1日から2020年12月31日までの間で、消費税率10%が適用される住宅取得等について、住宅ローン控除の控除期間を3年延長し13年間とする特例が創設されました。11年目以降の3年間については、消費税率2%引き上げ分を11年目から13年目の3年間で控除できるよう拡充されました。

資産課税

資産課税

(1) 個人事業者の事業承継税制の創設

 10年間の時限措置として、個人事業者の事業用資産に係る相続税・贈与税の納税猶予及び免除の制度が創設されました。認定相続人等が2019年1月1日から2028年12月31日までの間に、相続等により特定事業用資産を取得し、事業を継続していく場合には、担保の提供を条件に、特定事業用資産の課税価格に対応する相続税・贈与税が猶予されます。

(2) 事業用の小規模宅地特例の見直し

 小規模宅地等の特例の対象となる特定事業用宅地等の範囲について、相続開始前3年以内に事業の用に供された宅地等を適用除外とする改正が行われました。ただし、当該宅地等に該当する場合であっても、当該宅地等の上で事業の用に供されている減価償却資産の価額が、当該宅地等の相続時の価額の15%以上である場合には、特例の適用対象となります。

(3) 教育資金及び結婚・子育て資金の一括贈与非課税措置の見直し

 2021年3月31日まで適用期限を延長し、受贈者の前年の合計所得金額が1,000万円を超える場合には、適用がないこととされました。 教育資金の非課税措置については、贈与者が死亡した場合において、その死亡前3年以内に本措置の適用を受けたことがあるときは、贈与金額から教育資金支出額を控除した残額を、受贈者が贈与者から相続等により取得したものとみなすこととされました(贈与者の死亡の日において受贈者が23歳未満である場合等一定の場合を除きます)。

法人課税

法人課税

(1)イノベーション促進のための研究開発税制の見直し

 研究開発の「質」を向上させ、積極的な開発投資を促す観点から、メリハリをつけた見直しが行われました。

① オープンイノベーション型の対象範囲の追加等

オープンイノベーション型は、大企業や研究開発型ベンチャーに対する一定の委託研究が対象に追加されるとともに、控除上限が法人税額の10%(現行:5%)に引き上げられました。 なお、一定の研究開発型ベンチャー企業との共同研究・委託研究に係る税額控除率は、25%になります。

② 総額型の見直し

総額型は、増加インセンティブ強化の観点から控除率を見直すとともに、研究開発を行う一定ベンチャー企業の控除上限が法人税額の40%(現行:25%)に引き上げられました。

③ 試験研究費の割合が高い企業への新たな特例措置

 高水準型は、高い水準の研究開発投資を行っている企業について、総額型の控除率を割増しする措置が講じられた上で総額型に統合され、適用期限が2年延長されました。

(2) 中堅・中小企業による設備投資等の支援

①中小企業者等の法人税率の特例及び中小企業投資促進税制等の延長等

  • 租税特別措置法による軽減税率(税率15%)の適用期限が2年延長されました。
  • 中小企業投資促進税制の適用期限が2年延長されました。
  • 中小企業経営強化税制について、特定経営力向上設備等の範囲の明確化及び適正化を行った上、適用期限が2年延長されました。
  • 商業・サービス業・農林水産業活性化税制については、中小企業の戦略的な投資をしっかりと収益力向上に結び付けていくため、以下の要件を追加した上で、適用期限が2年延長されました。
    【追加要件】 投資を含む経営改善により、「売上高又は営業利益が1年間で2%以上向上すること」との認定経営革新等支援機関等の確認を受けたもの

令和元年度(平成31年度)の税制改正については、財務省ホームページで公表されています。